生活習慣病と漢方
生活習慣病についてご案内。
血行不順が全身に引き起こす、さまざまなトラブル
瘀血とは
瘀血…。ちょっと耳慣れない言葉ですが、漢方の世界では健康のキーポイントと ともいえる大切な考え方です。
正常な血液はサラサラとして、滞りなく全身を巡ります。からだのすみずみまで 栄養を与え、私たちの健康を支えてくれます。ところが、何らかの原因によって 、血液の粘度が高くなると、サラサラとしてきれいな血液が、どす黒く粘りを増 した状態になってしまうことがあります。
こうなると、今までスムーズに流れていた血液の流れが悪くなり、からだのさま ざまな所で淀みや渋滞を起こすようになります。自然の川も、水が澄んでいれば 停滞は起こりませんが、濁った汚れた川ではヘドロなどが溜まり、流れにくくな ります。これが瘀血です。つまり、からだの中に血液が正常に流れなくなってしまうのです。
血液サラサラで生活習慣病を防ぐ
瘀血が発生すると、からだの中のいたるところで痛みが起こったり、皮膚の色が黒ずんできたり、皮膚がザラザラしたり、とさまざまな症状がでてくるようになります。女性であれば月経血に塊がまじったりします。人間にとってかけがえのない血液ですが、場合によっては健康を損なうもとにもなるのです。
さらに瘀血の状態が進行していくと、血管の老化が進み、高血圧や心疾患、肝臓疾患など、さまざまな生活習慣病へと移行することもあります。病気につながりやすいドロドロ淀んだ血液を、サラサラ流れるきれいな血液に変える…。特に中高年の方にとって、瘀血を改善することがみずみずしいからだを回復する最良の方法なのです。
瘀血の原因
瘀血の症状
頭痛やどうき、皮膚が黒ずむ。女性は生理痛が強くなります。瘀血の症状は多様です。精神・身体症状がさまざまなところに現れます。
疼痛 | 頭痛、神経痛、肩・首筋の痛み、心臓の痛み、胃の痛み、腹痛、生理痛などからだの各所に痛みが起こります。痛みは同じ場所に起こるのが特徴で、刺されるような痛みがジワジワと続きます。特に、夜になると痛みが強くなる傾向があります。 |
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神経症状 | いつもイライラしがち、のぼせ、不眠、憂鬱感があってクヨクヨとものを考える、といった神経症状が現れるようになります。 |
舌 | 健康な人の舌の色はピンク色をしています。しかし、瘀血になると色が次第に黒ずんできます。舌の裏側を見ると、静脈が青紫色にふくらんでくるようになります。 |
色素沈着 | 瘀血は色にも現れます。目のまわりに黒いくまができたり、皮膚全体が黒ずんだりします。また、シミやソバカスが増え、ちょっとした打撲で青アザができやすくなります。 |
瘀血改善で健康づくりをサポート!
予防と養生法
瘀血は、日頃の生活習慣病の中から徐々につくられていきます。瘀血を予防するためには、毎日の生活を通して血液の流れを悪くしないように心がけることが大切です。
イライラしない。クヨクヨ考えない。 | ストレスをため込まないようにしましょう。心にゆとりをもち、頑張りすぎないことが大切です。 |
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からだを冷やしすぎない | からだを冷やす水分、清涼飲料水はほどほどに。生野菜や果物もとりすぎないようにしましょう。また、薄着を避け、保湿性の高い衣服を身につけるように心がけてください。 |
適度な運動でリフレッシュ | 運動といっても、スポーツだけが運動ではありません。散歩や買い物、ちょっとした日曜大工…。毎日の生活の中で、無理なくからだを動かすようにすることです。 |
規則正しい食生活を心がける | イワシ、アジ、サンマ、セリ、ナス、ニラ、えんどう豆、海苔…といった食材は、血液の巡りをよくするといわれています。といっても、同じ傾向の食品だけをとるのは感心できません。バランスを第一に、毎日少しずつでもとるようにすることです。 |